主将であった頃の彼。

強豪と知られた部の中でも頭一つ抜き出た強さを誇り、また
真面目で口数の少ない性格だったがそれが自然と部員を束ね、
顧問からの信頼も厚かった。

しかし、前大会の団体戦決勝。
体調を崩していた彼は、その事を周りに言えないまま臨んだ大将戦で惨敗。

それだけならまだしも、大会という衆目の集まる土俵上で事もあろうに
”脱糞”までしてしまったのだ。

顧問をはじめ、相撲部、さらには学校の名にまで泥を塗った彼を
誰一人として許す事はできなかった。

表向き、なんらかの懲罰を与えられるという事はなかったが
それがかえって彼への陰湿な虐めへと発展していった。